口呼吸をすることにより、お口の周りで起こりうることの一つとしてエナメル質の艶が失われ、白濁、着色しやすくなってしまうことがあげられます。
口呼吸をしていると、お口の中が乾燥します。ここで重要なキーポイントとなるのが、直接エナメル質と接触している唾液です。
唾液には
①食べ物を消化する
②摩耗を防ぐために湿って滑らかにする
③歯や粘膜を保護する
④酸やアルカリの作用をやわらげる
⑤歯や口をきれいにする
⑥細菌の発育をさまたげる
⑦歯が溶けるのを防ぐ
など色々な作用があります。
次に、上のグラフを見てみてください。このグラフは、ステファンのカーブといって、お口の中に、10%のショ糖水溶液を含んだ時の、お口の中のphの変化を示しています。縦軸がph、横軸は時間です。
このカーブは、お口の中に砂糖水が入ると、ミュータンス菌が糖を代謝し酸を産生したため、数分でphがぐっと下がり(酸性に傾き)、その後、唾液によって20分かけてもとのph7、(中性)に戻っていく様子を示したものです。
phが5.5以下になると、エナメル質からリンやカルシウムなどのミネラル成分が溶け出してしまいます。これを脱灰といいます。
唾液により、口の中のphが中性に戻ると、今度は唾液中のミネラル成分が再びエナメル質に取り込まれます。これが再石灰化です。
つまり、エナメル質の表面は唾液で潤っていなければ、再石灰化が行われず、ミネラル成分が抜け出した、スカスカの状態のままになってしまいます。
この状態が続くと、エナメル質の表面の艶が失われ、白濁したり、着色もしやすくなってしまうのです。
着色がよくつく方は、口呼吸になっていないか、お口がぽかんと空いていないか、確認して見ましょう!!
歯科衛生士 星原